ニックネーム問題


 おいも屋にて「夏季強化合宿」DVDのレビューが掲載されました。


http://www.oimoya.jp/dvd_review.htm


 初見の感想は「どの子にも公正な視点でレビューを書こうと努めてるなあ。すごいなあ」ということ。


 僕の紹介文は(わざと、ではありますが)特定の子をクローズアップして、その行動の背後にあるものを邪推して、書いたりしています。言ってみれば、僕の紹介文は徹頭徹尾「一個人の感想」でしかないわけで、反感を買うぐらい「主観的」であろうと思っていたのですが、それが「よし、面白そうだ。俺も購入しようか」と思わせる動機付けになるかどうか。


 このような読後感の違いがなぜ生まれるのか? そのひとつは「愛称を使うか否か」にあると思います。おいも屋レビューでは、敬称略で書いているため、公正な視点で感想を述べることができたのだろうと。


 チャームキッズの子たちには、いろいろな愛称があります。大場はるかだと「隊長」や「はるP」。普天間みさきだと「ふてまん」や「みさきち」、最近の映像では「姐さん」というのも使われていましたね。


 これを次のように分類してみます。


A:本人が呼んでもらいたい愛称
B:事務所やメディアがつけた愛称
C:ファンが好意的に呼んでいる愛称
D:ファンが悪意をもって呼んでいる蔑称


 AとBがオフィシャルで、CとDがアンオフィシャルです。アイマックス製作のいもクラ動画で付けられた愛称も、チャームキッズの検閲を経たうえで公開されているので、公式なものと考えていいでしょう。


 これを表にしてみました。
(あくまでも僕の私見です)

分類 大場はるか 普天間みさき 梅本静香 松本あやか
はるP   しぃちゃん  
隊長 姐さん   あやか様
  さきち 梅さん あやか嬢様
  ふてまん    


 女の子からすれば、呼んでほしいのは、A→B→C→Dでしょう。Aが何もない子の場合は「あやかちゃん」等のように、名前で呼んでもらいたいということです。


 例えば、隊長の場合、実は「はるP」と呼ばれたがっているのですが、「隊長」と呼ぶファンが圧倒的です。


 最近、好評連載中の「タレント日記」のプロフィールでも、

みんなからは、はるPや隊長って呼ばれてます


と、「はるP」を最初に持ってきてます。


 ならば、ファンは本人の望みどおり「はるP」と呼ぶべきかとなると、これが難しい。


 大場はるかは元々人気のあった子でしたが、それがチャームのエースに匹敵する人気を得たのには、「隊長」というキャラが欠かせません。


 うきうき〜ず誕生のきっかけとなった「放課後放送局弟9回」にて、大場はるかは次のような発言をします。


「(チャームキッズの)みんなといると暗くなっちゃうから……いつもは明るい(けど)」



↑隊長の爆弾発言に「ウチらのせいで?」と動揺する四人


 根はしっかりしているのに、チャームキッズで自分をなかなか出そうとしない大場はるか。それを何とかしようと事務所が努めていた様子は「美少女学園9 大場はるかPart2」の特典映像に収録されています。


 そんなふうに、積極的に自分を表現しようとしない彼女に、ハッパをかける意味で与えた愛称が「隊長」なんです。最初はそう呼ばれることがあんまりうれしそうじゃなかったんですが、じょじょに「隊長」と呼ばれることになじんでいきます。それとともに、「隊長」としてみんなをひっぱっていくという責任感の強さを見せるようになります。


 今の大場はるかの活躍には「隊長」というキャラは欠かせません。


 それと、「隊長」って愛称にはインパクトがあります。チャームキッズを知らない人からすれば「なんで、隊長って呼ばれてるの?」という疑問を抱くこと間違いなしでしょう。ジュニアアイドル数多しといえども、「隊長」と呼ばれているのは、大場はるか一人です。


 最近は折衷案として「はるP隊長」という愛称も生まれています。ファンの人はそう呼ぶといいかもしれません。


 「隊長」に匹敵するインパクトを持つニックネームといえば「ふてまん」です。この名前を生み出した人は、ホントにすばらしいセンスの持ち主だと敬意を表したいのですが、実はこれ「蔑称」です。本人ばかりか、事務所側もそう呼んでもらいたくないニックネームの代表です。


 つまり、ブログなどに「ふてまん」と書くことは「普天間みさきが嫌い」と公言しているのと、ほぼ同義です。あんまり軽々しく使うべきあだ名ではありません。


 しかし、僕がチャームキッズのファンになった理由のひとつは、その人間関係の面白さにあって、特に「ふてまん」と「隊長」の関係は、いろんな角度から見ても楽しめるものでした。
人間性の違いだけでなく、1期生と2期生の違いとか、そういうのもひっくるめて)


 今では、隊長も普天間姐さんに対する苦手意識を(やや)克服しているようだし、普天間姐さんもポージングレッスンで自分の居場所を確保したりと、「ふてまん」と呼ばれていた時代は過去のものになりつつありました。そういう意味で、僕はしばらく「ふてまんさん」と蔑称に敬称をつけて呼んでいたのですが、そろそろ「ふてまん」を封印してもいいころだと思います。その響きの良さは、封印するにはあまりにももったいないんですが。


 一方で、ファンが勝手に呼んでいた愛称が、オフィシャルに格上げするケースもあります。「あやか様」がそうですね。もともと、彼女のお嬢様らしいふるまいと協調性の無さに、ファンが「あやか様」と呼ぶようになったのですが、アイマックス側がそれを取り入れ「あやか様スペシャル」という特別コンテンツを作るまでに至りました。

(だから、松本あやかムービー日記は、第2話までは「あやか様」でない)


 しかし、これまた本人が喜んでいる愛称ではありません。「あやか『様』とした方が、彼女の言動を伝えるには抜群に面白くなる」という、製作側やブログ筆者の内情にしか過ぎません。松本あやかファンである僕から言わせてもらうと「あやか様」は「諸刃の剣」です。多用しすぎると、松本あやかって子の本質を失う危険性をはらんでいます。


 と、愛称は数多くあるけれど、語感の響きだけで採用すると、いつの間にか、その語感が持つ方向に流されてしまいます。僕の紹介文なんて、その悪例かもしれません。「あやか様」と書いてしまうと、松本あやかって子を中心にそのムービーをとらえてしまいます。「ふてまん」って書いてしまうと、どうしても普天間みさきを悪意的に書いてしまいがちになります。


 今回のおいも屋レビューは、それぞれの子の愛称について、いろいろ考えさせられるいいきっかけになりました。


*ちなみに、当ブログでは山中知恵さんのみ、なぜか敬称略で書いてます。この理由はいろいろあるんですが(さすがに謹慎しているのに呼び捨てにするのもどうかと思いつつ)これまた、ひとつの愛の形であります。決して、嫌いだから呼び捨てにしてるのではなく、考えがあって呼び捨てにしているのでよろしく。